instagram
Clinical Cases 症例報告

Clinical Cases 症例報告

Latest 5 Cases 最新5件

※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。

犬の副腎皮質機能亢進症

●副腎皮質機能亢進症とは

通称「クッシング症候群」とも言われ、中高齢のわんちゃんに多いホルモンの病気です。
副腎という臓器から「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されることで、体にさまざまな不調が生じてしまいます。
副腎皮質機能亢進症には2つのパターンがあります。
1つは副腎そのものが腫瘍によって起こる副腎依存性(AT)、もう1つは脳の下垂体の腫瘍によって起こる下垂体依存性(PDH)があります。

副腎皮質機能亢進症のわんちゃんには以下のような症状が多くみられます。
・水をたくさん飲み、おしっこの量が増える(多飲多尿)
・お腹が膨れてみえる(腹部膨満)
・たくさんご飯を食べるようになる
・毛が薄くなる、生えにくくなる
・皮膚が薄くなる
・元気がない
これらの症状は単なる「老化」として思われてしまうこともあるため注意が必要です。

●検査/診断
副腎皮質機能亢進症を疑う場合、以下の検査を行います。

・血液検査
→ALP/ALTといった肝臓の数値が上昇、高脂血症
・尿検査
→多飲多尿による低比重尿(薄い尿)、軽度なタンパク尿
・腹部超音波検査
→副腎そのもののサイズを評価
 ATの場合:片側の副腎のみ腫大
 PDHの場合:両側の副腎のみ腫大
・ホルモン検査
→ACTH刺激試験/低容量デキサメタゾン抑制試験
・CT/MRI検査
→PDHが疑わしい場合、下垂体腫瘍の確認のため

とくに診断として一般的に用いられるのはACTH刺激試験です。
ACTHとは副腎を働かせる合図を出すホルモンです。
①1回目の採血にて今のコルチゾール濃度を測定
②次にACTHを注射し、副腎にコルチゾールを分泌するよう指示
③その後2回目の採血を行い、コルチゾール濃度を測定
正常なわんちゃんでは2回目にコルチゾールは適度に増加しますが、副腎皮質機能亢進症のわんちゃんでは過剰に増加したり、逆にほとんど変化が見られないことがあります。
この検査は②〜③の間で時間を1時間程度おいてから2回目の採血を実施するため、数時間お預かりして検査を実施いたします。

●治療
副腎皮質機能亢進症の治療法は大きく分けて内科治療と外科治療があります。

①内科治療
お薬にてホルモンの分泌をコントロールします。毎日の投薬を続ける必要はありますが、通院にて経過を確認しながらコントロールしていきます。
②外科治療
ATの場合、副腎腫瘍そのものを摘出することもあります。根治が期待できますが、手術のリスクや全身麻酔となるため飼い主様と十分に相談が必要です。

●実際の症例

ヨークシャーテリア 避妊雌 9歳1ヶ月
健康診断のため来院されました。
お水をたくさん飲んでいるというお話しがあり、血液検査/腹部超音波検査/ホルモン検査を実施しました。
<結果>
腹部超音波検査:左の副腎のみ腫大
ホルモン検査:ACTH刺激試験にてコルチゾールの異常な増加あり

上記結果より、飼い主様と相談の上内科治療を行うことになりました。
現在1日1回の内服投与により、経過は良好です。


ご家族の中高齢のわんちゃんで同様の症状がありお悩みの方、またこれはどうなの?といったご相談などございましたら、お気軽に当院までお問い合わせくださいませ。

執筆担当:獣医師 山本
動物医療センター豪徳寺トップページ
東京都世田谷区豪徳寺1-38-11
TEL:03-3420-7711