※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。
●橈尺骨骨折とは
犬における骨折で最も多い骨折とされており、前肢の肘から手首までの部分の骨の骨折です。
原因は落下などの外傷や交通事故に多いとされています。
今回当グループ病院で過去5年間に行なった橈尺骨骨折の整復において、疫学調査と合併症発生率についてまとめ、
8月のグループ病院内/外部の病院様向けの症例検討会にて発表を行いました。
その内容も含めて記載いたします。

●疫学
犬の橈尺骨骨折は小型犬(トイプードル・ポメラニアン・ヨークシャーテリアなど)に多く、5kg未満で多いとされています。
また、6ヶ月齢〜2歳で多いと報告があります。
今回当グループでの橈尺骨骨折整復を行なった症例をまとめたところ、
犬種ではトイプードルとポメラニアンが約84%を占め、体重は5kg未満が95%でした。
また、年齢では2歳未満が82%という結果でした。
●骨折場所 わんちゃんの橈尺骨骨折では橈骨の遠位1/3での骨折が多いとされています。 その原因としては小型犬の橈骨における血管分布が遠位1/3で少ないため、骨折が起きやすく、また治療後の癒合不全も起きやすいとされています。 当グループで実施した症例のうち84%が橈骨遠位1/3での骨折であり、過去の報告とも一致していました。 ●治療法 当院ではプレートを2枚、骨に対して直交に配置するオルソゴナルプレート法(OP法)を用いて整復を行なっています。 小型犬での骨折は遠位に小さな骨片が生じることが多く、十分な固定のためのスクリュー(ねじ)を設置することが難しいです。 直交に2枚のプレートを設置することで、血流を温存しながら、十分なスクリューを設置でき強固な固定が可能となります。 この方法により、従来の単一のプレートを用いた固定法より大幅な合併症発生率を下げることが可能となりました。

●飼い主の皆様へ
本研究からも示されたように、2歳以下で5kg未満の小型犬、とくにトイプードルやポメラニアンで橈尺骨骨折がとても多いです。
骨折の原因としてソファーや抱っこからの落下が多いです。
私たちからするとこの高さで!?というような高さからの落下でも骨折してしまうことがあります。
どうか皆様今一度お気を付けいただき、万が一何かをきっかけにキャンと大きく鳴いたり、その後前肢を地面につけなくなってしまったり、跛行が見られるなどの症状がありましたら早めにご相談ください。
執筆担当:獣医師 山本
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