※手術の写真を掲載しておりますので、
苦手な方はご注意ください。
●胆泥症とは 胆泥症とは胆嚢(たんのう)という臓器の中にドロドロとした胆泥がたまることをいいます。 本来胆嚢は、胆汁という消化酵素を貯蔵していますが、何らかの原因でその流れが悪くなると、この胆汁が濃くなり、沈殿します。 この状態が進むと胆嚢の動きがさらに悪くなったり、炎症を起こしたり(胆嚢炎)、重症の場合は胆嚢が破裂し命に関わることがあります。 ●原因 はっきりとした原因がわからないことも多いですが、以下の要因が関与していると言われています。 ・加齢 ・ホルモンの異常(クッシング症候群など) ・脂質代謝の異常 ●症状 軽度の場合はほとんど症状がなく、健康診断の血液検査や腹部超音波検査で偶然見つかることも少なくありません。 一方で、進行すると以下のような症状がみられることがあります。 ・食欲が落ちる ・元気がない ・嘔吐、下痢 ・お腹を痛がる ・黄疸(目や皮膚が黄色くなる)
●治療 胆泥症の治療は、症状の有無と重症度によって方針が変わります。 ① 無症状・軽度の場合 症状がなく、胆泥が少量の場合はすぐに治療を行わず、定期的な血液検査と腹部超音波検査で経過をみることもあります。 ただし、進行を予防する目的で内服治療を開始することもあります。 主に使用するお薬は、胆汁の流れを良くする薬や、肝臓や胆のうを保護する薬などで、胆泥がたまりにくい状態を作ることを目指します。 ② 症状がある・中等度の場合 食欲不振や嘔吐などの症状がみられる場合には、内科治療を中心に行います。 ・胆汁の流れを改善する薬 ・吐き気止めや胃薬 ・必要に応じて抗生物質(感染や炎症が疑われる場合) また、脂肪分を控えた食事(低脂肪食)に切り替えることで、胆嚢への負担を軽減します。 この段階では、「悪化させないこと」と「症状のコントロール」が重要になります。 ③ 重度(胆嚢粘液嚢腫・破裂リスクあり)の場合 胆泥が高度に貯留し、胆嚢の形が崩れている場合や、胆嚢炎が強い場合には外科的治療を検討します。 特に、 ・胆のうの壁が壊死している ・胆汁が漏れるリスクが高い ・すでに破裂している といったケースでは、緊急手術が必要になることもあります。 胆嚢を摘出しても、胆汁は肝臓から直接腸へ流れるため、多くの子は日常生活に戻ることが可能です。 当院では開腹下での胆嚢摘出だけでなく、腹腔鏡を用いた侵襲度の少ない胆嚢摘出術も可能です。 ただし、すでに破裂をしていたり、胆管の閉塞の有無によっては腹腔鏡での手術が適応とならない場合もあります。 ご検討の方は、詳しくは当院獣医師までご相談ください。
執筆担当:獣医師 山本
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